マウスピース矯正(インビザライン)とは
従来のワイヤーやブラケット装置を使わず、透明なマウスピースによって歯を動かす歯列矯正方法です。マウスピースはオーダーメイドで製作し、歯を動かしたい方向へ誘導するための圧力がかかるように設計されています。これを段階に応じて交換しながら、歯並びを少しずつ整えていきます。
この装置は薄く透明な素材でできているため、矯正治療中ということに気づかれにくいのが最大のメリットといえるでしょう。また、装着時の違和感がほとんどなく、取り外しも可能なため、食事や歯磨きも治療前と同じように行うことができます。さらに装置を丸洗いできるため衛生的です。
他にも、歯が動くときの痛みを感じにくいことやメタルフリーなことから、痛みやアレルギーに不安のある方も安心して治療をお受けいただくことができます。
乱れた噛み合わせ、歯並びを放置すると・・・
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虫歯になりやすい
歯並びが悪い部分は歯ブラシの毛先が届かず、食べかすや歯垢が付きやすくなります。また、歯並びによっては隙間ができることで口呼吸になりやすく、口内が乾燥します。そうなると細菌が繁殖しやすいため、虫歯になるリスクを高めてしまうことがあります。他にも嚙み合わせが悪いと歯についた汚れが自然に落ちないため、虫歯になりやすくなります。
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顎関節症になる可能性
歯並びが悪いと本来噛み合うべき場所で噛めないため、部分的に強く当たる歯や、全く当たらない歯など、噛み合わせのバランスが崩れてしまいます。それが原因で周辺の筋肉に緊張が起こり、顎の関節に負担がかかったりして、顎関節症になる可能性があります。
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顔の歪みにつながる
顔や口元にはさまざまな筋肉があり、それらがバランスよく働くことで豊かな表情を生み出しています。歯並びが悪いと顔や口元の筋肉をバランスよく使うことができないため、左右非対称な顔貌のゆがみや表情のこわばりなどにつながることがあります。
マウスピース矯正の特徴
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矯正装置が目立ちにくい
透明で薄い素材のマウスピースが歯にフィットし、矯正中だとほとんど気づかれることはありません。見た目が気になる方におすすめの治療方法です。
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取り外しができ衛生的
ワイヤー矯正と違い取り外しが可能です。食事中は食べづらさを感じることもありませんし、歯磨きもしやすいため、矯正治療中の虫歯リスクを軽減することができます。
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トラブルが少ない
マウスピースが歯面にフィットしているので違和感が少なく、ワイヤー矯正のように装置が外れたり、口腔内を傷つけたりといったトラブルもありません。
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十分な装着時間が必要
マウスピース矯正は1日20時間以上の装着が必要で、食事と歯磨き以外はほぼ入れたままとなります。十分装着していないと計画通りに歯が動かず、治療期間が長くなることもあります。自己管理が難しいと思われる方には向かないかもしれません。
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適応できない症状がある
矯正治療の方法は、それぞれの歯並びを精密に検査・診断し決定します。中には骨格性の不正歯列など、マウスピースによる治療だけでは適応できない症例もあります。
3Dデジタル口腔内スキャナーiTeroの導入
当院では3Dデジタル口腔内スキャナーiTeroを導入しています。約10分とわずかな時間で口腔内を3次元データ化でき、かつ患者様のご負担を軽減できる画期的な装置です。
従来は矯正治療の装置製作のためにシリコンや石膏を用いた模型を作製しなければなりませんでした。そのため事前に歯型の採取が必要でしたが、iTeroを用いることで、この身体的負担や来院回数などを少なくすることができます。
iTeroの特徴
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精密なデータの取得
口腔内を専用の3Dスキャナーでスキャンすることでお口の精密なデータを取得することができます。チェアサイドですぐにデータを確認でき、その場で治療のシミュレーションや治療計画のご提案などができます。
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治療がスピーディーに
従来、インビザライン治療は歯型データをアメリカのアライン・テクノロジー社へ空輸し、約1ヶ月後にシミュレーションや装置が届くという流れでした。日本ではiTeroだけがインビザラインの認定接続が可能な装置とされています。即日データ取得と技工所への情報送信ができることから、治療開始までの期間を短縮することが可能です。
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不快感のない歯型取り
従来の歯型採りは柔らかいシリコンを口腔内に挿入して採得していました。この方法は時間がかかる上、口腔内の違和感による嘔吐反射を招くなど患者様に身体的な負担があります。iTeroによるデジタルスキャニングはそれらの違和感がなく、快適に歯型を取得することができます。
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通院時に歯の動きを確認
iTeroを使用することで治療計画通りに歯が動いているか、を確認することができます。思ったように動いていない場合は治療計画や装着時間などの見直しを行います。高精度なデジタル歯型によって治療工程のシミュレーションを行うことができ、患者さんのモチベーションアップにもつながります。
マウスピース矯正治療の流れ
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Flow.1
カウンセリング
まずは歯並びのお悩みや治療に関するご要望などをお聞きします。
簡単な視診等も行い、マウスピース矯正ができる可能性があると診断されたら、治療内容や費用面についてご説明させていただきます。治療のメリット・デメリットを加味した上でご同意頂けましたら、次に精密検査のご予約をお取りする流れです。 -
Flow.2
精密検査
マウスピース矯正開始に必要なデータ取得のための精密検査を行います。口腔内をより詳しく診察し、レントゲン撮影、お顔や口腔内の写真撮影といった、治療前のデータ作成を行います。加えて、マウスピース作製に必要なデータをiTeroによって取得します。
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Flow.3
治療計画の立案・説明
精密検査の診断結果を元に、矯正担当の歯科医師が治療計画を立案します。患者様には治療内容や期間、費用などをご説明させていただきますので、十分ご納得いただけましたら、いよいよ治療開始です。分からないことは何でもご相談ください。
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Flow.4
治療のスタート
患者様専用、オーダーメイドのマウスピースが完成します。着脱方法を練習し、お手入れや保管方法などのご説明、日常的な歯磨きの仕方や注意事項などのご説明を行います。
開始後は決められた時間装着しながら日常生活をお過ごしいただきます。決められた間隔で定期的に来院していただき、新しいマウスピースに交換しながら歯を少しずつ動かしていきます。 -
Flow.5
治療終了・保定期間の開始
治療終了後は、後戻りをしないよう一定期間保定装置の装着が必要です。
保定装置の装着期間は症例や患者様の症状により異なります。
よくある質問
QA.
マウスピース矯正の平均の治療期間を教えて下さい。
症例により異なりますが、2年程度が平均的な期間となります。
マウスピース矯正は痛みはありますか?
ワイヤー矯正よりは歯にかかる力が小さく、痛みは少ないと言われますが、歯の移動に伴う痛みはあります。
マウスピース矯正は話す時に支障はありますか?
違和感が少なく、大きな支障はありません。
マウスピースをした状態で、スポーツはできますか?
できます。ワイヤー矯正は激しい運動をすると傷を作ってしまう可能性がありますが、マウスピース矯正はそのような心配はありません。矯正中も気にせずにスポーツを楽しむことができる点はマウスピース矯正のメリットといえます。
マウスピースをしたまま飲み物やお菓子などを食べても良いですか?
マウスピースは食事の際は取り外しが必要です。食後、歯磨きをして再度装着をします。マウスピースをしたまま食事をしてしまうと虫歯の原因になりますので気を付けましょう。ただし水(熱くないもの)はマウスピースをしたまま飲んでもOKです。
医薬品医療機器等法(薬機法)について
当院では、医薬品医療機器等法(薬機法)において承認されていない医療機器を用いた「インビザラインによる矯正治療」を行っています。
以下の事をご理解の上、治療をさせて頂きます。
- 医薬品医療機器等法上の承認:未承認
- 入手経路:個人輸入(医師がアラインテクノロジー社へ個人依頼)
- 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等の有無:無し
- 諸外国における安全性等に係る情報に関して:FDA認可あり。日本国内では医療機器としての矯正装置に該当しませんが、使われている素材は日本国内で薬事承認されています。
料金表
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インビザラインフル(治療期間:1年~3年)¥880,000
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インビザラインGO(治療期間:3ヶ月~半年)¥440,000
※税込み価格